アラブ馬の魅力1

アラブの風土が生んだ馬

 アラブ馬はアラビア半島原産なるも世界中の人が愛し育てた馬です。
 品種としては最も古く、アラビア半島では紀元前2500年頃に岩に描かれたアラブ馬の絵があります。今日ベドウインとして知られる人々が、4500年前には乗っていたと思われる考古学的証拠です。その優れた特質から、馬の中の馬として世界中のほとんどの馬の品種改良に貢献してきました。

 アラブ馬は遠くから見てもすぐそれと分かります。小振りなしゃくれ顔、鶴首、フラットな尻と高く上がった尾。小柄な体にも関わらずスピードがあり、スタミナ、耐久力、強い骨が特徴です。

 その性格もユニークです。穏やかで人に良くなつく性格とともに、激しさ強さも併せ持ちます。アラブの風土と文化がアラブ馬を作ったことは間違いありません。過酷な環境の砂漠で、馬に与える草も水もないとき、ベドウインたちはデーツ(ナツメヤシの果実)とラクダの乳を与えたといいます。かぎられた量の食糧で命をつなぎ、極端な昼と夜の温度差に耐えねばなりません。弱い者は淘汰され、何世紀にもおよぶ戦争でさらに淘汰されていきました。

アラブの仔馬たちは暑さと盗難を避けるため、人と同じテントの下で過ごし、人間の赤ん坊とラクダの乳を分け合います。赤ん坊に危険が及ぶような荒い性格の馬はたちまち淘汰されていきました。

 しかし、ただおとなしいだけでは戦争に使えません。気性の強さ、勇敢さ、注意深さも併せ持たなくてはならない。その結果、優しくもあり激しくもあるアラブ馬特有の気性が確立されていったのです。

 アラブ馬は非常に敏感で、知能・学習能力が高く、ライダーとのコミュニケーションに優れています。しかし同時に、その知能の高さゆえ悪い癖もすぐ学習するし、不適切で暴力的な調教を受け付けません。それだけ素人には調教しにくい馬ともいえます。
 これらのことからアラブ馬と人との関係について数多くの神話やエピソードが残されてきました。
 ベドウインの戦士は、好んで牝馬に乗ったそうです。敵にさとられずに奇襲をかけるには、牡馬(種馬)より牝馬の方が静かだからです。戦争の道具としての馬には美しさは二の次かもしれませんが、ベドウインたちはアラブ馬の美しさにもこだわってブリーディングを続けたのです。

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FRC小淵沢の8頭のアラブ馬たち