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アラブ馬の魅力2

体型と身体的特徴

 

アラブ馬の体型と身体的特徴を少し詳しく見てみましょう。

 

小ぶりで楔形(くさびがた)の顔、広い額、大きな眼、大きな鼻孔:

 サラブレッドなど大型の馬に用いている無口や頭絡をアラブ馬に着けようとしてダブダブなことに驚いた経験のある方もいらっしゃるのではないでしょうか?

 アラブは小ぶりで短い頭を持っています。額が広いのは脳のサイズが大きいことを示しています。顔が小さいため、その黒々とした眼は一層大きく輝いて見えます。

 大きく開いた鼻孔はあたかもBMWのフロントグリルのようで、呼吸のしやすさを感じさせます。

 

しゃくれた顔(dished profile)

 アラブ種の中でも特にエジプシャンの系統に多い顔です。身体的機能とは関係がありません。

 

アーチ状の首と顎の下のカーブ

 顎の下に“mitbah” とよばれるカーブがあります。気管に余裕を与え、呼吸がしやすいといわれます。

 

短い背中と長くて平らな尻(croup)

 アラブ馬の多くは小柄で短い背中を持っています。一般的に短い背中の馬は長い背中(胴長)の馬に比べ、重量負担能力に優れています。一般的な馬は18個の胸椎(肋骨)と、6個の腰椎を持っていますが、アラブ馬の多くは17個の胸椎と5個の腰椎しか持っていません。頸椎は他の馬同様7個です。

 

高い位置についた尾(high tail carriage)

  アラブ馬のシンボルともいえるものです。走る時には静止時よりさらに高く上がります。身体的機能とは関係ありません。

 

密度の高い強い骨、頑丈な蹄

 アラブ馬の骨密度は高く、蹄の身体のサイズの割には大きく頑丈です。

 

サイズ(体高)

 馬の体高は地面からキコウまでの高さで測ります。その単位として世界的にハンド(hand)という単位が良く使われます。

 1hand = 4 inch =10.16cm

 

14 ハンド=142.2cm

15 ハンド=152.4cm

16 ハンド=162.2cm

 

多くのアラブ馬の体高は14~15ハンドです、標準的なサラブレッドは16ハンドです。

 

アラブ馬は小柄だけと、多くの背の高い馬より重量負担能力に優れています。その点からもエンデュランスに向いています。身体が大きい、体重の重い馬は、長距離の山岳レースでは自分の体を運ぶだけでも一仕事です。

 

馬体重

 体高にもよりますが400㎏前後の小ぶりな馬が多く活躍しています。

 

筋肉の質

 筋肉は主に筋繊維というもので構成されています。筋繊維には大きく分けて2種類があります。一つは縮む速度が速い「速筋(fast twitch fiber)」ともう一つは縮む速度が遅い「遅筋(slow twitch fiber)」の2つです。アラブ馬は遅筋が多いのが特徴です。

 

・速筋

 速筋は、素早く収縮することが出来るため瞬発力を引き出す時に使われる筋肉です。また速筋は無酸素運動の時に使われる筋肉で、その色から白筋ともいわれています。速筋は疲れやすい筋肉ですが肥大化しやすい筋肉です。

 

・遅筋 

 遅筋は、ゆっくり収縮し、持久力を引き出す時に使われます。また遅筋は有酸素運動の時によく使われる筋肉で、その色から赤筋ともいわれます。遅筋は肥大化しにくい筋肉ですが、疲れにくくマラソン選手などはこの遅筋が発達しています。

 アラブ馬は遅筋が発達し、人間でいえばマラソンランナーと言えます。

 

Horses for Courses

 速筋と遅筋の割合は遺伝的なものでトレーニングによって変化することはないと言われています。その点からいうと、筋肉隆々で速筋の多いクオーターホースにエンデュランスホースになるためのトレーニングを課すのは効率的とはいえません。クオーターホースは短距離のダッシュでは世界一速い馬なのです。牛を追って急発進、急旋回、急停止をするような作業や競技に向いています。

 反対に、遅筋が多く長距離レース用に身体を絞ったアラブ馬に、その様な急な運動をさせると故障してしまうでしょう。

 Horses for Courses なのです。

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FRCの純血アラブZaarla号 牝 2005年生まれ

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