インディアンになった
子供の頃TVで何度も放送されていた西部劇。
裸馬を自由に乗りこなすアメリカインディアンに憧れた。
『大草原を裸馬で駆け抜けたい』
そんな衝動に駆られ、乗馬を始めて1年半。
チャンスが訪れた。外乗での裸馬駆歩である。
相棒は『セバスチャン』威厳を感じる良い馬だ。
外乗同行者の興味津々の眼差しを背に受け、
舌呼とともに駆け出すセバスチャン。
タタターン・タタターン、尻が暴れる。
『まずい、落ちるかも』一瞬不安がよぎる。
ところがどうだ、次のステップからは不自然な揺れが消えていた。
馬の動きと腰が同調して、人馬一体のように感じる。
スローモーションのように風景が流れて行く。
『気持ちいい!最高だ』
馬上にはインディアン気分の自分がいた。