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最高の夏休みプレゼント

 盆休みに入り、普段は八ヶ岳高原で一人暮らしをしている我が家に、和歌山から二女の家族全員が訪れてくれた。当地に在住する長女一家とも合流して久し振りに賑やかになった。和歌山から来た高校1年生の孫娘は当地に来る度に牧場を訪れ、ヤギや羊と戯れたり、引馬に乗ることを楽しみにしていて今年もどこかで馬に乗りたいと呟いた。  実は昨年まで当地で引馬に乗せてくれていた牧場が今年は休業していて当てが外れたのだった。

 遠路、来てくれた孫娘の願いを叶えてやらねば。  知り合いが開いてくれたホームパーティーで同席していたお客様が、乗馬クラブを主催しておられた筈だと思い出した。そのクラブ、FRC小淵沢に半ば強引に何とか引馬をお願いできないかと直談判した。幸いにも代表の田中雅文さんからOKが貰えたので二女と孫娘をつれて勇躍クラブに出掛けた。連日の雨模様で当日の天気も予報では小雨模様となっていたのだが指定された時間には晴れ間が覗き、恰好の乗馬日和となってくれた。

 カッコ良い帽子を借りて馬上の人となった孫娘の姿は立派な騎手に見える。手綱を両手で握り、馬の操作を教えて貰うのだが、引馬ならそんな必要は無いのでは?と思っていたら、引馬では無く一人で馬に乗り、同伴者が別の馬で伴走してくれるのだと言う。  孫娘は一人で馬を乗り回す経験は皆無だし、どうなるのかと心配になったのだが、田中さんは自信満々で大丈夫ですよとのこと。乗せて頂いた馬は人間で言えば70歳を超える大ベテランで大人しいが、若いころには大会で優勝経験のある馬だそうで、なるほどこれならと安心した。

 直ぐに同伴してくれる馬の後について出掛けて行くのを見送った。そのまま帰りを待つのかと思っていたら、田中さんが四駆で私と二女を乗せて後を付けるという。  コースを先回りして二頭が現れるのを待った。程なく森の中から二頭が現れた。孫娘も立派に馬上の人となっている。大感激した。  慌てて雄姿を写真に収め見送ると再度、車で先回り。行った先はホームパーティーを開いてくれた知り合いのお宅。  一時間を超える初めての本格的な乗馬トレッキングに孫娘の興奮はさめやらない。  暑い和歌山から逃れて訪れた八ヶ岳高原の涼しげな森で、大好きな馬に乗って過ごせたので最高のプレゼントとなった。  田中さん、伴走してくれた塚本真由美さんに心からお礼を申し上げます。  自分は馬上の人となるには歳を取り過ぎたかなと思っていたが、あまりに楽しそうなので何とか挑戦してみたいとも思う。田中さん、塚本さん、その節はよろしく。

進藤 勇(しんどう・いさむ) 76歳、小淵沢町在住 会社経営、理学博士

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